29 Nov 2021

南オーストラリア州の旅では、地球への負荷を最小限に抑えることが出来ます。

私たちが目指している旅とは、持続可能で、環境にやさしく、それぞれが行動に責任を持ち、そして環境に配慮した、地球、生物など誰もがハッピーになる旅です。今日、ますます多くの人々が少し身軽な生活や旅をしようと努力していることは明らかです。南オーストラリアには、手付かずの大自然と豊富な野生生物が自然のままの姿で生息しているので、彼らに寄り添うような旅の実現が可能です。是非この「南オーストラリアでのサステイナブルな旅の体験のガイド」を次の南オーストラリアへの旅にお役立てください。

持続可能な滞在

Ecopia Retreat, Kangaroo Island
Ecopia Retreat, Kangaroo Island

南オーストラリア州は、オーストラリアの中でも特に手付かずの自然が多く残されている場所です。環境との共存を目指した宿泊施設に滞在することは、自然環境の価値を正しく評価し、保護するためのベストな方法の1つです。実際、南オーストラリアの多くの施設は、エコ宿泊施設のコンセプトとデザインに関してとても革新的で最先端を行っており、リサイクル素材の使用、最小限のエネルギーで効率化させるパッシブ・エネルギーシステム、思いやりのある環境デザインなど、環境への負荷を最小限に抑えていますので、快適でありながら地球への思いやりを感じていただくことができます。

豪華な別荘からモダンなホリデーハウス、海辺のグランピングまで、南オーストラリア州では、環境にやさしい休暇を簡単に実現することが可能です。カンガルー島Kangaroo Islandエコピア・リトリートEcopia Retreatのように、荒野にひっそりと佇む、環境にやさしい別荘は、オフ・グリッド・エネルギー・システム(自家発電)と100%雨水を使用しています。オーナーのヤエル氏とロブ氏は、周囲の環境の再生にも具体的な影響を与えるようと取り組んでおり、500本以上の在来種の木を植えて、珍しいテリクロ・オウムの生息地を作っています。または、エア半島Eyre Peninsulaタノンガ・ラグジュアリー・エコヴィラTanonga Luxury Eco Villasもおすすめです。ここでは、25,000本を超える在来種の木、低木、草で植生を再生し、古くからここに住んでいる野生生物の生活を守る努力をしています。エコデザインのヴィラは、パッシブデザイン(エネルギー効率を優先させる建築デザイン)、太陽光発電、二重窓、ミミズを使った有機下水処理など、環境に優しい機能を備えた、最もサステイナブルな宿になっています。

Rawnsley Park Station, Flinders Ranges
Rawnsley Park Station, Flinders Ranges

アデレードヒルズAdelaide Hillsには、アースシップという少しユニークでサステイナブルなB&Bがあります。このコテージは、廃タイヤに土を満たして積み上げて地形を整えたり、使用済みのビールやワインボトルを埋め込んで美しくデザインした壁など、さまざまな天然素材とリサイクル素材で作られています。また太陽光発電、雨水、エネルギー効率化にも完璧に対応しています。南オーストラリアのアウトバックにもサステイナブルな宿泊施設が、フリンダース山脈のローンズリーパーク・ステーションRawnsley Park Stationにあります。上級エコツーリズム認定されているヴィラは、自然環境に寄り添った設計で、エネルギー効率を優先した自然の排気口を備えていますので、完璧な室内温度が保つことが出来ます。

環境に優しい野生生物との出会い

Baird Bay, Eyre Peninsula
Baird Bay, Eyre Peninsula

自然の姿のままの野生生物と出会うのは最高です。南オーストラリア州には、緑豊かななだらかな丘、手付かずの砂浜、鬱蒼とした低木地帯、険しい山脈、乾燥した砂漠に至る手つかずの風景の中に、オーストラリアで最もユニークで愛されている動物の重要な生息地が広がります。そして、奥地から海まで、野生生物と環境を第一に考えた環境にやさしいツアーは、自然を愛する方々がオーストラリアの動物に出会うためのベストな方法の1つです。

エア半島Eyre Peninsulaでは、ロドニーフォックス・シャーク・エクスペディションRodney Fox Shark Expeditionsで檻に入ってサメに出会うことが出来る、エコ認定サメ・ケージダイビングがおススメです。昔、南オーストラリアでサメに襲撃され、生存者となったロドニーフォックス氏が、その後研究者に転向しツアーを始めました。ポートリンカーン沖の海は、ホオジロザメと一緒にダイビングできる、世界で2か所しかない貴重な場所の1つです。各ダイビングは、実際に環境科学者に情報を与え、この素晴らしい生き物を保護するための貴重な機会に役立ちます。カリプソ・スターチャーターCalypso Star Chartersでは、エコ認定のサメ・ケージ・ダイビングとアシカと一緒に泳ぐツアーをお楽しみいただけます。エア半島の西海岸を北上したところにあるベアードベイでは、ベアードベイ・オーシャン・エコ・エクスペリエンスのエコツアーに認定されたツアーで、アシカと一緒に泳ぐことが出来ます。ヨーク半島Yorke Peninsulaでは、グレートサザン・アークと呼ばれる、再野生化プロジェクトが進められており、20種以上の在来種の哺乳類を保護しており、すでに絶滅の危機に瀕している種を復活させています。 アデレード動物園Zoos South Australiaは、環境省と協力して、イネス国立公園にかつて野生絶滅した種であるメインランド・タマー・ワラビーを再び生息できるようにしました。 現在、イネス国立公園Innes National Parkは、州内でも最も本格的な野生生物との出会いが出来る場所の一つです。

Arkaroola Wilderness Sanctuary, Flinders Ranges and Outback
Arkaroola Wilderness Sanctuary, Flinders Ranges and Outback

海から遠く離れてアウトバックへ進みましょう。エコツーリズムに認定されているアルカルーラ・ウィルダネス・サンクチュアリーArkaroola Wilderness Sanctuaryでは、南オーストラリアのユニークな野生生物をもっと体験できます。放牧地とウラン採掘場だったこの土地は、1960年代に、アウトバックの聖域へと変貌させ、この太古の風景が復活しました。現在160種以上の野鳥、絶滅危惧種のシマオイワ・ワラビー、カンガルー、ハリモグラ、トカゲとヘビ、そして希少で絶滅の危機に瀕している植物が生息しています。 ここでは現在12種類の上級エコツーリズム認定されたツアーを運行しています。リッジトップ・ツアーで花崗岩の山々や岩だらけの崖を横断したり、敷地内にある本格的な私設天文台で、南オーストラリアで最も澄んだ星空を観察しましょう。

一方、カンガルー島Kangaroo Islandには多くの在来種にとって重要な生息地があります。 2,000エーカーに及ぶハンソンベイ野生生物保護区Hanson Bay Wildlife Sanctuaryは、島のユニークな動植物を保護することを使命としています。ここのエコ認定されたツアーに参加することは、島の多様性を体験するための最良の方法の1つです。ツアーでは、コアラ、カンガルー、ワラビー、ポッサム、ハリモグラ、ゴアナ、そして幻想的なブッシュ・ストーン・カーリューを自然の生息地で見ることが出来ます。この保護区には、ブルーレン、スカーレット・ロビン、ロリキート、クリムゾン・ロゼラス、ブラック・コカトゥー、スクラブ・レン、クレセント・ハニー・イーター、バンド・チドリ、ケープ・バレンジースなど、さまざまな野鳥が生息しており、190種以上の在来植物も記録されています。野生生物の保護をしている、カンガルーアイランド・ワイルドライフ・パークKangaroo Island Wildlife Parkに向かいましょう。広大な50エーカーに及ぶこの公園には、1,000頭以上の動物が生息しており、2020年1月の山火事の際に、救助されたコアラのリハビリに重要な役割を果たしました。サステナビリティは海にも及びます。キングスコートとエミューベイでは、エコ認定されたカンガルーアイランド・マリン・アドベンチャーKangaroo Island Marine Adventuresのツアーで遠く離れた沿岸のビーチを訪れ、野生のバンドウイルカと一緒に泳いだり、アザラシと戯れましょう。 カンガルーアイランド・マリン・アドベンチャーは、野生動物保護団体である、ドルフィンウォッチ活動にも積極的に関わっており、地元のクジラやイルカの群れが安全にそして幸せに生息出来ているかを見守っています。

持続可能なグルメ体験

Coriole, McLaren Vale
Coriole, McLaren Vale

南オーストラリア州のレストラン業界は、地産地消、食品ロスの最少化、エシカルな生産、持続可能を意識した食事に関してリーダー的な役割を果たしています。

フィノ・セッペルツフィールドFino Seppeltsfieldでは、レストランの食材の95%を地元から仕入れし、小規模で持続可能な生産者をサポートしながら、地域性と季節性を活かしたメニュー作りをしています。アデレードの中心部にあるボタニック・ガーデン・レストランBotanic Gardens Restaurantも、食品ロスを最小限に抑え、畑からからお皿への哲学とエシカルに栽培された持続可能な農産物を活かしたメニューが特徴です。マクラーレンベールでは、コリオールのヘッドシェフであるトム・ティルベリー氏が、地域の生産者との緊密な関係に基づいて、旬の食材を活かした高級ダイニングメニューを作成しています。トムは可能な限り信頼できる農家から地域のエシカルに収穫された持続可能な農産物を調達しています。ペンフォールズ・マギルエステート・レストランPenfolds Magill Estate Restaurantでも同じことが言えます。ここでは、キノコ、クレソン、野菜、ハーブ、花などの食材が自家菜園から収穫され、堆肥化された生ごみを使用して施肥されます。

Fino Seppeltsfield, Barossa
Fino Seppeltsfield, Barossa

アデレードAdelaideのエティカでは、地産地消と生産地の追跡も重要視しています。適量で慎重に吟味したメニューにより、スタッフは常に自分達の食材がどこから来ているのかを正確に知ることができ、お客様はそれを理解することによって、お食事を真に楽しむことができると信じています。ピール・ストリートでは、野菜に重点を置いた豊富なお料理が特徴で、南オーストラリアの旬の食材を紹介しています。 アフリコーラのダンカン・ウエルゲッド氏もこの情熱を共有しており、地元の食材を使った料理が彼が作り出すアフリカ料理のメニューを支えています。ウエルゲッド氏は、時々南オーストラリアのきれいなビーチを歩きながら、少量の海藻や草を手摘みして、自分のレストランの料理に利用しています。

一方、アデレードヒルズ・アット・トピアリーのヘッドシェフのケイン・ポラード氏の持続可能性への取り組みはゼロから始まります。食材の切れ端も、根から葉、鼻から尾までを慎重に選択し、最大限活用できるように準備しています。栽培、混ぜたり、硬化、燻製など100年前から続く技術が、キンレンカ、カタバミ、野生のフェンネルなど採取された食用雑草を特徴とするメニューと自然に溶け合っています。周辺の庭から採ることができないものはすべて地元で調達されており、廃棄物を最小限に抑え、周囲の人々をサポートし、環境を尊重するというケインの哲学に賛同しています。より多くの食事のインスピレーションについては、南オーストラリアで最高の持続可能なグルメ体験the SUSTAINABLE DINING IN SOUTH AUSTRALIAをご参照ください。

環境にやさしいワイナリー、醸造所、蒸留所

dArenberg Wines, McLaren Vale
dArenberg Wines, McLaren Vale

持続可能な酒造りは、南オーストラリアの多くのブティックワイナリー、小さな蒸留所、クラフトビール醸造所の生き方を表しています。マクラーレンベールにあるジェムツリーワインの持続可能な生産への取り組みは、樹齢数十年のブドウの木と同じくらい深く根を張っています。このワイナリーのオーガニック、バイオダイナミック農法は、将来の世代のために土地を改善するという彼らのコミットを物語っています。羊の群れが農薬に取って代わり、雑草を防除します。粉砕された石英は真菌感染を防ぎ、化学殺菌剤を否定し、牛糞、再生水がブドウ畑に供給され、太陽光発電で灌漑、ワイナリーの動力、テイスティングルーム電源を賄っています。ワイン造りへのこの包括的なアプローチと持続可能性への取り組みは、オーストラリアで最大のバイオダイナミック農法のブドウ栽培ワイナリーであるダーレンバーグ・ワインズd’Arenberg Winesで今も生き続けています。また、羊の飼育、太陽光発電、自然による病害虫の制御に依存しているため、環境の持続可能性と最先端の生産技術の調和は、グラスに注がれるすべてのワインの中に現われています。持続可能性はマクラーレンベールを通じて引き継がれるテーマであり、パクストン・ワインは有機栽培とバイオダイナミック農法のブドウ栽培のリーダーでもあり、卓越したブドウとワインを生み出しています。

Unico Zelo, Adelaide Hills
Unico Zelo, Adelaide Hills

バロッサの小規模ワイナリー、ヘイズ・ファミリーワインの低介入農法とオーガニック農法は、最前線にあります。ここでは、ワイン醸造家のアンドリュー・セペルト氏が、何世代にもわたる知識を駆使してブドウを持続可能な方法で栽培し、合成除草剤と農薬をボイコットし、ワイン製造プロセスで添加物を制限しています(ここのすべてのワインは、ビーガンに優しいワインです)。その結果、あなたにも環境にも優しい素晴らしいワインができあがります。ワイナリーと農場を兼業しているハットンベール・ファームは、ワインと食料の生産に持続可能なアプローチを採用しています。アンガス家は7世代続く農場で、『現在の土地は自分達が預かっているだけで、将来の世代の為に必要なことだけをすべき』だと考えています。実際には、彼らは水の節約、除草剤の使用の最少化、太陽光発電、そして農場とその周辺の再植林に焦点を合わせています。アデレードヒルズでは、ユニコ・ゼロは、従来のブドウ品種から最小限の水で育つブドウ品種へ入れ替えることで、水の消費量を最小限に抑えました。ブレンダンとローラ夫妻は、プラスチック包装の交換から製品の無駄の削減まで、あらゆることに取り組む、進化し続ける持続可能性の戦略を持っています。出荷できないレモンは通常堆肥などにしてしまいますが、彼らの場合はレモンチェロなどの美しいリキュールを作りあげます。

環境にやさしいツアー

Murray River Walk, Riverland
Murray River Walk, Riverland

環境に配慮し、投資するツアー会社を選ぶことは、南オーストラリアの最高の場所へ旅が出来るだけでなく、私たち全員が愛する環境を保護するための助けにもなります。

南オーストラリア州は、オーストラリアで唯一の二酸化炭素排出量を相殺しているのツアー会社の本拠地です。エア半島を拠点にしている、エクスプローラ・エアとナラーボー・トラベラーでは、100%カーボンニュートラルで上級エコ認定ツアーを運営しており、毎年この会社が所有する1.2ヘクタールのクードリーパーク・ファーム・リトリートに原生植物を植林し、その土地のうち3分の1は環境修復のためにそのままの姿で確保されています。そして、エア半島の自然資産を保護するという彼らの取り組みは、それだけではありません。エクスプローラ・エアとナラーボー・トラベラー は、学校向けの環境教育プログラムや土地保全プロジェクトとのパートナーシップに積極的に関わっており、環境保護に関して高い信用を作り上げました。

オーストラリア最大の川、マレー川のほとりにあるリバーランドは、南オーストラリアで最も多様な生態系の本拠地でもあります。また、カヌーでクーロンの湿地帯のラグーンを探索しましょう。豊富な知識を持つエコツーリズムの専門家のガイドと一緒に旅をすると、このユニークな生態系の魔法のような体験をしていただくことが出来ます。生態系に影響を与えることなく、信じられないほどの野生生物に近づくことができます。カンガルー島では、エクセプショナル・カンガルーアイランドまたはカンガルーアイランド・オデッセイのツアーに参加して、自然の生息地で野生生物との持続可能な出会いを楽しむことができます。地元の専門ガイド、少人数のグループ、地元の食材を使用して、カンガルー島の手付かずの環境を探索するのは、自然を維持するための最良の方法の1つです。

Arkaba Walk, Flinders Ranges
Arkaba Walk, Flinders Ranges

環境にやさしいウォーキングツアーは、南オーストラリアの素晴らしい風景を体験するもう1つの方法です。アルカバ・ウォークでフリンダース山脈の太古の風景を横断したり、野生生物が生息する低木地帯を旅したり、南極海ウォークで険しいフルリオ半島の海岸線に沿って歩いたり、マレー川ウォークで大きなマレー川のほとりに沿ってウオーキングできます。街中をクルージングしてみましょうか?車からハイブリッド電動アシスト人力車に乗り換えて、アデレードの街を探検しましょう。エコキャディのCO2排出実質ゼロのツアーは、アデレードを観光するための最も持続可能で楽しい方法の1つです。

もっとエコな旅について知りたいですか。南オーストラリアのエコフレンドリー・トラベルヒントECO-FRIENDLY TRAVEL TIPS IN SOUTH AUSTRALIAをご参照ください。